親 いろいろな生き方があるから自分で選べばいいと思って、私から将来の仕事として医師を勧めたことはなかったよね。
子 僕自身は医師になるという思いはあったよ。ただ中学はそういうことを意識せずに選んだので、周りに医師になりたいという人は少なかった。
親 同じ目標を持つ人たちと一緒に学びたいのであればと、私の出身校でもある川崎医科大学附属高校を勧めたんだよね。
子 高校ではコロナ禍の中、感染症分野の先生から医療現場の大変さを聞く機会があり「現場の課題解決に貢献できる人間になりたい」という思いが強くなった。寮生活では、仲間と一緒に生活する中でお互いの違いも見えてきて、それを認め合いながらどう付き合っていくかということを経験的に学べたよ。
親 人としてもしっかり成長できたね。
子 負けたくないという気持ちも芽生えたし、みんなで頑張っているという安心感もあった。学校が終わってから寮でも勉強するというルーティーンが身に付いたのは、モチベーションを高められるこの環境が大きかったと思う。
親 一つひとつきちんと積み重ねていくことが大切だからね。
子 頑張ればちゃんと結果が付いてきて、努力次第でこんなに変われるということを実感した。成長したなと思うのは、「自分にできること」が増えていったこと。友人にダメなところを指摘されたら、きちんと受け止めて改める。そういう態度は、今後の大学生活にも生きてくると感じているよ。
親 大学では、さらに専門的なことを学ぶことになるけど、将来はどんな医師を目指したい?
子 病気を治すだけでなく、病気以外でも患者さんに寄り添えるような関係性を築ける医師になりたい。僕にとっては実家の病院で患者さんたちと向き合っていたおじいちゃんやお母さんの姿が、まさにそう。
親 優匠には自身が育った環境、そして高校と大学で身に付けた良医としての資質をベースに、これからの時代に求められる医師になってほしい。AIの登場、都市と地方の医療格差、インバウンドの増加など、時代の変化やさまざまな課題がある中で、どのように活躍したいかによって身に付けるべきスキルや考え方は変わってくるよね。
子 そうだね。時代の変化に対応する力も含めて、大学ではいろいろなことに挑戦して「地力」を高めていきたい。
親 そのすべてのベースになるのが、良医としての資質ではないかしら。知識も含めて学生のうちに身に付けるのが絶対にいいと思う。
子 あと、僕はお母さんが力を入れている予防医療にも興味を持っている。高齢の方は病気にかかったとき、持病があると合併症を引き起こすリスクが高い。これからの高齢社会では、予防医療はますます重要になってくるはず。予防医療に特化した病院を立ち上げて、前進するお母さんの姿は憧れでもあるんだ。
親 私は自身が体を壊した経験から予防医療の世界に入っていったということもあるので、自分の健康にもしっかり留意できる医師を目指してね。
